モデルやコラムニストとして活動しながら、センス溢れるファッションやインテリア、2人の娘たちのことをつづるインスタグラム(@tokyodame)が人気のクリス-ウェブ 佳子さん。すてきなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音。今回のテーマは「恋の終わり」。

会えぬと募り、会うと深まる恋心

 「最近、彼女と別れてさ……」と言ったのは幼なじみ。子どもたちが寝静まり、大人だけの時間が訪れた我が家のキッチンで、私と友人が耳を傾ける中、タバコをふかしながら彼は堰(せき)を切ったように話し出した。およそ半年間にわたって続いた遠距離恋愛が終わったと。

 遠距離恋愛は大変だ。私にも経験がある。高3の時に付き合っていた1つ上の先輩が神奈川の大学に進学したのを機に、大阪・神奈川の距離を隔てて甘酸っぱい恋をしていた。毎日電話をしては好きな気持ちを確かめ合い、「次はいつ会える?」なんてことを飽きずに繰り返していたが、当時の私にとっては新幹線で3時間弱の距離はあまりにも遠く、わずか半年で断念してしまった。嫌いになったわけでもケンカしたわけでもなく、ただただ距離に負けてしまったのだった。

友人だからこそ放っておけない

 同じく半年間の遠距離恋愛に終止符を打った幼なじみ。会社を経営する裕福な40代の男でも、新幹線や飛行機に乗って国内を縦横無尽に旅する男でも、SNSが発展した現代であっても、やはり遠距離恋愛は難しいのか。立て続けに2本目のタバコを深く吸い込みながら、「良い子だったんだ」、「運命の人だったと思う」、「本当に愛してた」と哀れみを誘うようにうなだれていた。

 そんな彼に対して私は「元気出して、出会いはまた巡ってくるから」なんて優しい言葉はかけられない。いやいや、本当に終わって良かったよ。ずっと私は言っていたもの。この恋愛は終わらせるべきだって。今すぐ闇に葬るべきだって。なぜなら、彼の遠距離恋愛とやらは不倫だったのだから。