モデルやコラムニストとして幅広く活動しながら、センスあふれるファッションやインテリア、二人の娘たちとの日常をつづるインスタグラム(@tokyodame)は約13万人にフォローされているクリス-ウェブ 佳子さん。すてきなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音。今回のテーマは「その日暮らしの楽しみ」です。

夜明けとともに起床し、1杯のコーヒーで始まる生活

 コーヒー1杯につき豆はピッタリ60粒。夜明けにとともに起床し、細心の注意を払いながらコーヒーをいれ、昼すぎまで仕事をするという習慣を徹底していたのはルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。遅い昼食を取った後は、ポケットに鉛筆と五線紙をねじ込んで長い散歩に時間を費やし、頭に浮かんでくる楽想を書き記した。日暮れどきともなると居酒屋に立ち寄って新聞を読んだり、友人と待ち合わせたりなどして気ままに過ごし、夕食はスープなどの簡単な食事で済ませた。そして、夕食後には決まってビール片手にパイプを一服。22時には就寝するという規則正しい生活をベートーヴェンは生涯にわたって送ったという。

予定のない日はないままに

 べートーヴェンの1日のスケジュールと比較すると、私のそれはその日マターである。確定している仕事の打ち合わせやPTAの会合、病院の予約以外は流動的でいたいので、私は何もない日は何の予定も立てないでいる。予定のないスケジュールに従うことは大の得意だから。

 例えば、15時に夕飯の買い出しに出掛けたとする。途中で立ち寄ったコーヒーショップで友人に遭遇し、しばらく話し込む。その後書店に立ち寄って雑誌を買いあさり、目的地のスーパーマーケットに到着する。買い物袋を両腕に下げての帰り道で別の友人と出会い、面白いアート展が近所でやっているからとギャラリーへ同行。初めましてのアーティストとしばらく談笑し、帰宅したらもう17時半だった。「ママが16時には家に帰るって言ったら18時ってことなのよね」と次女は言う。