今年40歳になるクリス-ウェブ 佳子さん。モデルやラジオの仕事をしながら海外を飛び回る日常や、2人の娘たちのことを綴るインスタグラム(@tokyodame)は、約12万人がフォローしている。すてきなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音とは? 今回のテーマは、アパレル業界の早すぎる商品サイクルへの疑問です。佳子さんからの「この夏の課題図書&映画」にもご注目!

 サマーセールが今年も始まりました。それも6月半ばから。まだ梅雨だというのに。まだ本格的な夏も始まっていないというのに。すでに店頭では夏服が30%から70%オフで販売されています。6月後半ともなると店頭には早くも秋冬物が並び始めます。そして7月中旬にはサマーセールも過渡期を迎え、8月からは秋冬物が店の大半を占めるのです。

炎天下の真夏に夏物の服が見つからないワケ

 昨年の8月初旬。うだる暑さのなか、やって来る残暑を乗り切るためにと夏服を求めて買い物に出掛けたのですが、よく行くセレクトショップに夏服がないことに愕然(がくぜん)としました。ラックには暖色系のロングカーディガンやトレンチコートが、棚にはスエードのアンクルブーツやベルベットのパンプスが並んでいたのです。

 気温35℃、湿度70%の炎天下。コットン100%のワンピースは? リネン100%のシャツはどこにある? 結局その日、表参道にある行きつけのショップを数軒まわった私は手ぶらで帰途についたのでした。