スカート丈が短いと世の中は潤う?

 女性解放運動とともにスカート丈が短くなっていったという史実とは別に、経済状況にともなってスカート丈は変化すると提唱した経済学者がいます。ペンシルベニア大学ウォートンビジネススクールの経済学者、ジョージ・テイラーです。彼は好景気になればなるほどスカート丈は短く、不景気になればなるほど長くなると発表しました。好景気、女性たちは高価なストッキングを見せびらかすために短いスカートを履き、不景気にはストッキングを買う余裕なんてないものだから必然的にスカート丈は長くなるというセオリー。これは『Hemline Index』というタイトルで正式に発表されています。

 私が初めてこの文献を目にしたのは大学の英語講義だったのですが、“経済指標を読み解くことに疲れたおじさんが、気晴らしに女子生徒のスカート姿を堂々と眺めるための言い訳が欲しかったにすぎない”と懐疑的に思ったのを覚えています。“男たちの経済回しが功を奏し、女たちはそのおこぼれに預かる。そんな女たちはせっせと女磨きに精を出し、ミニスカートを履いて美脚を見せびらかす。すると今度は男たちがそんな女たちをモノにしようと、躍起になって自らに高級時計と高級車を買い漁り、女たちに宝飾品を贈る。つまりは経済状況がスカート丈を左右すると言うよりも、スカート丈が短いと世の中は潤うのだよ” ― なんて持論を放った男性教授。その時は無言であきれるだけだったけれども、今ならバカ言ってんじゃないよと反論していたかも。