学生時代、スカートのブス丈に抜き打ち検査で屈した

 私の通っていた高校では制服のスカート丈は膝下5cmに規定されていました。膝下5cm。それは見事にふくらはぎの一番太い部分を直撃する丈で、実のところ足が最も太く見える丈なのです。というのも、客観的に見たときに他人は足の太さ=ふくらはぎの太さとして認識するからです。だから膝下5cmというのはかわいくいることが最重要な女子高生のみならず、全女性にとってブス丈なわけ。それを知ってか知るまいかは別として、私を含んだ一部の外交的な女子たちはウエスト部分を折り返し、膝が見え隠れする丈をキープしていました。それとは逆に、内向的な女子たちはスカート丈をふくらはぎの一番太い部分が隠れるミモレ丈に保っていました。でも規定はブス丈、膝下5cm。理論的に足が最もキレイに見える丈を本能的に取り入れていただけにすぎないのに、短すぎてもダメ、長すぎてもダメなわけで、定規を手にした教師の、それもなぜか男性教師ばかりの抜き打ち検査によって、学生時代の私たちはことごとくブス丈に屈しなければいけませんでした。

 19世紀中ごろ、エリザベス・スミス・ミラーというアメリカの女性解放運動家が床まで届くフルレングス丈のスカートに合わせるためのパンツ=ブルマを発案し、それによって女性衣服に革新的な自由化がもたらされました。そのブルマの登場によってスカート丈にも顕著な変化が現れます。ブルマを着用するのだからスカート丈を短くし、女性の衣服にさらなる動きやすさを追求しようと奮起したのがアメリア・ジェンクス・ブルーマー、ブルマの名前の由来となった女性です。彼女はドレスからコルセットを取り除き、スカート丈をフルレングスから一気に膝下にまで引き上げました。アメリアこそ、女性にスカート丈の選択権を与えてくれた人と言っても過言ではありません。残念なことに彼女がデザインした膝下丈のドレスは当時としては斬新すぎてはやりこそしなかったものの、自転車の普及とともに再解釈され、のちに自転車に乗る女性たちの最先端ファッションとして定着していきました。