今年40歳になるクリス-ウェブ 佳子さん。モデルやラジオの仕事をしながら海外を飛び回る日常や、2人の娘たちのことを綴(つづ)るInstagram(@tokyodame)は、約12万人がフォローしている。すてきなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音とは? 今回のテーマは、なぜ働く女性が「ごめんね」と口にしてしまうのか?です。

「行ってきます! ごめんね! 鍵閉め忘れないでね!」
「ただいま! ごめんね! 30分後にはご飯だからね!」

 いつからだろう。仕事へ出掛けるときも、仕事から帰ってくるときも、なぜだか子どもたちに謝っている自分がいます。働くことは決して悪いことではなく、仕事も大好きなのですが、どういうわけだか「行ってきます」と「ただいま」に「ごめんね」というオマケがついてくるのです。実際、私は本当に子どもに対して申し訳ないと思って謝っているのか。それとも何かしら自分に後ろめたさを感じてのことなのだろうか。

働くことに罪悪感を抱く男はいない

 「ごめん、ごめん、遅くなってごめん!」と言いながら居間に入ってくる父の姿。私の記憶にそんなシーンは存在しません。午前0時を過ぎて仕事からようやく帰宅した母もまた然(しか)り。ノックもしないで私の部屋のドアを開けたとしても、「遅くなってごめんね」と謝ったことなど一度だってありません。それどころか、勉強している私に向かって「まだやってるの? 早く寝なさいよ!」と言うのが母の常でした。母は躊躇(ちゅうちょ)なく「社会に出て働くことが好きなの。専業主婦は自分には到底できなかった任務よ」と言ってのけるような人です。仕事の付き合いだからと父よりも進んで飲み会に参加し、残業となれば午前様も当たり前。休日だって厭(いと)わず仕事に精を出す女性でした。