モデルやコラムニストとして活動しながら、センス溢れるファッションやインテリアや、2人の娘たちのことをつづるインスタグラム(@tokyodame)が人気のクリス-ウェブ 佳子さん。すてきなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音とは? 今回のテーマは「美白礼賛」についてです。

美白礼賛主義はもう古い

 家ごもり、外出自粛、ロックダウン。なんと呼ぼうが私のそれは、3月2日、子どもたちの学校が休校になったその日から続いています。ファッション撮影は3月13日を最後に一時停止のまま。ゴールデンウイーク以降のスケジュールも5月18日までは空っぽで、実際その日の撮影もどうなるか分からない状態でいます。外出の機会がグッっと減ったせいで、例年に比べて肌のトーンが明るいです。ある朝、「ねぇねぇ、見て。ママ、少し白くなったと思わない?!」とバスルームで長女に話しかけたところ、ものすごく重いため息が返ってきました。

 「ママ、現代の美白礼賛は社会問題だからね…」

 朝っぱらから寝起きの私に社会問題を問いかける娘。「肌は多様性の時代です」とのこと。パリやニューヨークに行くたびに、娘たちが必ず行きたがるのが「SEPHORA」という化粧品や香水を扱う専門店なのですが、彼女たちがいつも感銘を受けるのがファンデーションのカラーバリエーション。例えば『Umbrella』や『Diamonds』など、数多くの名曲を生み出した歌手のリアーナ手がけるコスメブランド「FENTY BEAUTY」。2017年9月にローンチした同ブランドのファンデーションはなんと50色もあるのです。発売と同時に、これまで自分の肌の色のファンデーションを見つけられなかった世界中の人たちが、性別を超え、販売店であるSEPHORAに殺到しました。