今年40歳になるクリス-ウェブ 佳子さん。モデルやラジオの仕事をしながら海外を飛び回る日常や、二人の娘たちのことをつづるインスタグラム(@tokyodame)は、約12万人がフォローしている。すてきなライフスタイルで羨望を集める彼女が、包み隠さずここだけで語るARIA世代の本音とは? 今回のテーマはズバリ「SEX」です。

 最近『ビリーブ 未来への大逆転(原題:On the Basis of Sex)』という映画を観ました。アメリカ最高裁判所判事で現役最高齢記録を持つルース・ギンズバーグ弁護士が1970年代のアメリカで史上初の男女平等裁判に挑み、逆転勝利を手にするまでを描いたドキュメンタリーです。共感するところが多く、深く頷きながら観ていたのですが、劇中とあるシーンが妙に心に引っかかりました。ルース・ギンズバーグと彼女の娘がニューヨークの街を歩きながらフェミニズムについて語らう重要なシーン。その背景に映り込む煉瓦造りの建物に貼られた一枚の街頭広告に、私の目は釘付けになったのです。

1970年のニューヨーク、大胆な街頭広告の正体は?

 セルリアンブルーのバックグラウンドと同色のビキニを着た肌もあらわな女性が一人、こちらを見つめるように微笑みながら横座りしています。そして、その女性に膝枕をしてもらうかたちで横たわるのは上半身裸の男性。まるで不安げな男児のように両腕で自分を抱え込んでいます。女性が肌の露出にまだ躊躇していた時代、女性の社会的地位が男性に比べてずっと低かった時代にこんな大胆な街頭広告? と不思議でならなかったのです。その街頭広告は1970年に実際に発行された『COSMOPOLITAN』3月号の表紙でした。さらにネット検索で見つけたその表紙には、<私は適齢期を過ぎた処女だった>や<私たちにセックスが必要な10の理由>といった、当時としてはかなり過激なヘッドラインが書かれていたのでした。