戦時中は恋に落ちても、結婚することのないまま恋人を戦地へと見送る女性が多かったと言います。恋人が戦死したときに未亡人にならぬようにと、男の配慮、女の苦慮、死がふたりを分かつまでを真に見据えた末の決断です。しかし、現代では結婚式の宣誓で「死がふたりを分かつまで」というフレーズを「ふたりの愛が続く限り」と言い換え、愛がなければ一緒にいる必要もないと踏まえた上で誓約するカップルが増えているそうです。まるで雇用契約のように、結婚生活が年ごとに更新されるシステムかのように。

私が、女が、自分の人生の舵を切れる時代

 15回の更新の末、何が決定的にふたりを分かつのか、あるいは何がふたりを呼び戻せるのか。そんな重要なことも分からぬまま、夫と私は別々に暮らしています。そして明確に、こうも思っています。幸せに結婚し、幸せな結婚生活を送り、そして新たな幸せのために離婚できたら、うん、それで良いじゃない、と。世情にも世間にも縛られることなく、私が、女が、自分の人生の舵を切れる時代ですもの。気難しいフェミニストだと思われても良い。女が幸せを我儘に、我が思うままに模索して何が悪いと。

 そんな気持ちがどんどん膨らむ折に頂いたこのたびの連載。とんだ自己紹介ですが、この10年間、「幸せな妻」として仕事をしてきた私ですが、改めまして。「幸せな女」として人生を模索中のクリス-ウェブ 佳子です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

(文・写真/クリス-ウェブ 佳子)