お尻の筋肉が衰える結果、最もオーバーワーク状態になりやすいのが腰です。サボっているお尻のせいで、腰が無理な仕事を続けていると、痛みが出やすくなります。さらに、足にも過剰な負担がかかりやすくなり、ふくらはぎの外側や太ももの前側が張り出して体のラインが崩れたり、ひざに痛みが出てきたりします。

お尻の筋肉に効かせるために、まず腸腰筋を伸ばす

 固まってしまった特定の筋肉をほぐしてから、本命のお尻の筋肉を鍛えるのが岡部式の基本です。そうする理由は、ほぐさずにいきなりお尻を鍛えようとすると、日ごろからお尻の代わりに頑張っている他の部位の筋肉が使われてしまい、うまくお尻を使えないからです。

 今回のほぐし編では、股関節の前側に位置する腸腰筋(ちょうようきん)を伸ばします。腸腰筋はお尻のちょうど反対側にあって、座りっ放しの現代人はこの腸腰筋が縮み切っています。まずはここを伸ばして、お尻を鍛える際に股関節周りがよく動くようにしましょう。

 ポイントは、床にひざが付いている方のお尻にギュッと力を入れて、骨盤を後ろに倒してから股関節を前に押し出すように意識することです。

ストレッチで股関節の動きが滑らかになると、歩くのも、階段を上るのも、気持ちよくできます(所要時間 2分6秒)

 どうですか? 股関節を前側に押し出した状態でストレッチできましたか?