回数をこなすことではなく、正しく筋肉を使うことが大事

 ヒップスラストを行う回数は20回が目安ですが、重要なのは回数ではなく、正しく行うことです。お尻の筋肉が縮んでいる感覚をいま一つ感じ取れないという人は、回数の目標を一度、忘れてください。まずは筋肉に力を入れて、その結果として体が上がって水平になる感覚をつかみましょう。お腹とお尻の筋肉の両方に力がしっかり入った状態のまま、高い位置でキープしてみるのです。

 また、回数を繰り返すうちに太ももや腰のあたりがつらくなってきた場合は、足の幅を変えたり、お腹やお尻に力を入れ直したりして、正しい位置を探ってみてください。

 お尻の筋肉がギュッと縮む感覚、感じられましたか? 少しでも感じられたら、それは脳からの「収縮せよ」という司令がお尻に届いているサインです。逆に言うと、これまでは脳からの司令はお尻の筋肉に届いていなかった、ということ。そのまま放置していると、いずれ、ちょっと大きな声で笑ったときにも「あっ……」と漏れてしまうかも。尿漏れだけでなく、おならも漏れやすくなってしまいます。単なる運動不足が原因でそうなってしまうなんて、残念過ぎますよね? ぜひ、このトレーニングを毎日、続けてみてください。

 次回は、ほぐす編では腸腰筋を伸ばすストレッチを、鍛える編ではお尻にしっかり効くスクワットを紹介します。ではまた、2週間後に会いましょう! それまでは、今回のほぐす、鍛える、の二つのメソッドを毎日続けておいてくださいね。

取材・文/茅島奈緒深 動画・写真/長沼 良 モデル/北村エミ