安定も、確かな地位もあるのに、新しい一歩を踏み出したARIA世代の起業家にお話を聞くこの連載。デンマークにある世界最大手の海運会社に勤務した後、得意の英語力を生かし、日英バイリンガルMCとして国際会議などで活躍してきた長森真希さん。2013年5月に、子ども服のリユース事業を手がけるキャリーオンを共同創業者とともに設立しました。「起業してから、自分の夢が見つかった」と語る長森さん。自身が目指していることやチャレンジしてうまくいった事業についても詳しく教えてもらいました。
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キャリーオンCOO 情熱より生きるために選んだ起業の道


捨てるのではなく譲る。服の廃棄を減らすのが目標

―― キャリーオンでは、子ども服の買取・販売のオンラインサービスの他にも事業を手がけていますよね。

長森真希さん(以下、敬称略) はい。オンラインだけではなく、ららぽーとやヴィーナスフォートなどの大型商業施設でポップアップストアも展開しています。前回の記事 でもお伝えしましたが、テレビ番組で紹介された影響により、出品数が大幅に増えまして。買い取った在庫をどう活用していこうか考えていたところ、商業施設からお声がかかり、古着の子ども服のショップを出店させてもらうことになりました。昔であれば、新品を売る一次流通のお店と、その敵対関係といえる二次流通のお店が同じ売り場に共存すること自体、考えられないことだと思うのですが、社会全体がサステナブルな方向へと意識が変わり、時代的に受け入れられるようになったのかなと思います。

―― 買う側も、新品と中古の垣根がなくなっていきそうですね。

長森 特に子ども服はすぐに小さくなって着られなくなってしてしまうので、わざわざ新品を買わず、古着でいいと考える親御さんは増えていると感じます。コートなどアウター類は高額の割に一冬しか着られないこともありますからね。着られなくなったものは捨ててしまうのではなく、それをまた誰かに譲ることで服がよみがえる。そういう循環を生み出して服の廃棄を減らしていくことが、今の私の目標です。それも起業して進んでいく中で見つけた目標ではありますが。

―― 長森さんが今、力を入れて取り組んでいる仕事は何ですか?

キャリーオン代表取締役COOの長森真希さん。「着られなくなったものは捨ててしまうのではなく、それをまた誰かに譲ることで服がよみがえる。そういう循環を生み出して服の廃棄を減らしていくことが、今の私の目標です」
キャリーオン代表取締役COOの長森真希さん。「着られなくなったものは捨ててしまうのではなく、それをまた誰かに譲ることで服がよみがえる。そういう循環を生み出して服の廃棄を減らしていくことが、今の私の目標です」