転機はメディア取材。一気に認知度、売り上げがアップ

長森 そうですね。それも大きいですが、一番の突破口となったのはテレビ取材が入ったことです。TBSの「がっちりマンデー!!」に取り上げてもらったことで、認知度が大幅に広がりました。放送後に出品が殺到しまして、買い取った在庫が一時的に膨らみました。ただ、スタッフは急には増やせないので、既存のスタッフでなんとか対応しました。3カ月ぐらいは対応に追われたでしょうか。

 おかげさまで売り上げも格段に伸びましたが、同時に学びもありましたね。そのときに痛感したのは、スタートアップでまだ体制が整っていない段階で大きく露出すると、対応しきれない場合があるということ。ちょうど資金調達の後で、自社のシステムができ上がってからのテレビ取材だったのでまだよかったのですが、体制が整っていない状態だったら、もっと混乱を極めていたと思います。

―― 現在、会社は何人ぐらいのスタッフが働いているんでしょうか?

長森 現在は25~30人ほどが勤務しています。社員もアルバイトも、子育て中のママがほとんどです。本人の希望があれば15時ぐらいまでに帰れるようにしたり、お子さんの用事や急な体調不良があったときにも勤務日を振り替えできるようにしたり。子育て中のママが働きやすい環境を用意したことで、バイトの応募者も増え、募集をかけるとすぐ埋まる状態にまでなりました。

 今はスタッフがいるおかげで、業務が回るようになって本当に助かっています。特に創業当時は私自身、全くもって経営の知識や経験がなかったので、経営者としての実績がある吉澤にはだいぶ負担をかけたのではないかと思います。最初のうちは教わる一方で戦力にはならなかったと思うので……。だからこそ頼まれたことは基本、断らない。素直に引き受ける。すると、着実に力もつきますし、思いもよらないチャンスが広がることもあるんです。経営者に必要な力は取り組んでいく中で後天的に身に付けたものばかりなのです。

Q起業家として大切にしてきたことはありますか。
Q起業家として大切にしてきたことはありますか。
「頼まれたことは基本、断らない。素直に引き受ける。すると、着実に力もつきますし、思いもよらないチャンスが広がることもあるんです」

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取材・文/伯耆原良子 写真/鈴木愛子