アイデアを自分でビジネスにしたい
―― ご自身の経験から「スキマスペース」に目を付けたんですね。
西浦 ちゃんとした店舗じゃなくても、商品を陳列できれば売り場になります。今まで活用していなかった軒先みたいなところを安く借りられたら誰でも簡単にお店が出せる。「こういうサービスがあったらいいな」と思ったことが出発点でした。
リサーチをしたわけではないですが、同じ思いの人はきっといるはずだ、と。「これは絶対、ビジネスになる!」と思ったら、すぐに始めたくなって。雑貨を売るのはひとまず老後の楽しみにして、スキマスペースを売り場として貸し借りするような仲介ビジネスを始めることにしました。それが妊娠8カ月のときです。
―― 妊娠8カ月! そこから出産、子育てをしながら会社として立ち上げるまでにはどのようなプロセスがあったのですか?
西浦 出産が迫っていたので業者に見積もりを取って、一番安いところにサイトを発注しました。細かい構想は決まっていなかったので、簡単なティザーサイト(プロモーションのためのウェブサイト)を作り、「空きスペースを貸し借りできるサービスを来年春にオープンします」と予告だけして出産準備に入りました。
そんな状態でしたが、たまたまサイトを見つけてくださった方から「こういうサービス待ってました!」とか、「こういうスペースあるけど登録できますか」と反響を寄せていただけてビックリしました。
特に予想外だったのはキッチンカーの方。当時、路上で売るための規制が厳しくなってきたときで、移動販売できる場所を探している方が大勢いたんです。なるほど、こういうニーズもあるんだなと思いましたね。それで出産して半年後に、正式にサイトをオープンしました。