安定も、確かな地位もあるのに、新しい一歩を踏み出したARIA世代の起業家にお話を聞くこの連載。不動産会社の役員として働いていた東平豊三(とうひら・ゆたみ)さんは、45歳のときに起業。太陽光発電に関する事業構想をビジネス化して、急成長を遂げました。いままで苦労した点やビジネスを成功させる秘訣について伺います。

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東平豊三 時流に乗り、太陽光発電を軸にビジネス快進撃


大病を2回経験。いつ死んでもいいようにしておく

―― 東平さんは、2010年に創業した太陽光発電を建設する「e-flat(イーフラット)」を皮切りに、その太陽光発電をメンテナンスする「e-karat(イーカラット)」、ソーラーシェアリングを行うために農業を行う「e-farm(イーファーム)」、そして、グループ会社にベトナム人材を紹介する「e-person(イーパーソン)」と、必要な部門や足りない機関は自社で作り、関連会社化してきました。あえて別の会社にするメリットはなんでしょうか?

東平豊三さん(以下、敬称略) 多くの方は、1つの会社の中で事業部制にすると思います。しかしそうすると、こっちの事業部の売り上げが悪くても、あっちの事業部の売り上げがいい、となると感覚的に危機感が薄まってしまいませんか。当社でいうと「e-flat」が販売で利益が出ているので、他事業がそんなに頑張らなくて大丈夫、とオマケみたいな感覚になってしまう。私は、独立採算制をはっきりとさせたほうがいいと思います。

 ただ会社を独立させると、税理士や社労士などをそれぞれつけたり、赤字でも都民税などを払ったりしないといけないので、それをもったいないと思う場合もあると思います。うちはありがたいことに「e-flat」で利益が出ているので、必要な金額を払うことができました。むしろ、将来を見据えてのメリットのほうを大きく感じています。

e-flat代表取締役CEOの東平豊三さん。「趣味の一つは長唄。なんと4カ月で名取をとりました。名は杵屋勝吉豊(きねやかつきちぶ)です」
e-flat代表取締役CEOの東平豊三さん。「趣味の一つは長唄。なんと4カ月で名取をとりました。名は杵屋勝吉豊(きねやかつきちぶ)です」