優秀な人材がずっと働き続けたいと思える会社に

東平 当社には決算賞与があり、ここ5~6年連続で、平均5カ月出しています。夏は2カ月、冬は3カ月のボーナスがあった上にさらに上乗せしています。それも社員のことを考え、出た利益の1割は社員に還元すると私が決めているから。多いときは決算賞与が10カ月あったときもありました。

 当社は営業ノルマがないのでインセンティブで動く人はいません。営業をしなくても売れるので、社員をのんびりさせてしまうという課題もあります。だから決算賞与があることで、会社をよくすれば自分に還元されると感じてもうことにしました。

 いまはグループ会社で、ベトナム人を中心とした人材紹介・採用から研修までを一貫して手掛ける「e-person(イーパーソン)」という会社を通して、ベトナム人材がたくさん入ってきてくれています。ベトナム人材は優秀で、日本をはじめ、韓国などでも大人気です。だから、優秀な人材はすぐに引き抜かれてしまう。そのため、いかに優秀な人材がずっと働き続けたいと思える会社にするかというのは非常に大事だと思っています。

 日本人の若者を採用するのは難しいし、正直言うと、いま「e-karat」で行っている太陽光発電のメンテナンス業務は、日本人の若者はなかなかやりたがりません。優秀な若者は現場作業を避ける傾向があるんですね。いまベトナム人で採用しているのは、日本人でいうところの優秀な大学を卒業し、勉強をしてきた人たちなんです。その人たちが現場作業をやってくれるので、よく考えて動くし仕事も早く、効率がいい。彼らがいなくなると本当に困ります。

 ベトナム人は「あなたの給料はいくら?」と聞きあう人たちなので、給料がいいところに転職する人が1人出ると、周囲も影響されるんです。これはマズいと思って、給与制度を根本的に変えて、ベトナム人材に優位になるようにしたので、みなさんまたやる気になってくれました。

 以前、1度シルバー人材にお願いしていたのですが、私たちが求めるレベルとスピードに達しなかった。そこで、3年程前にベトナム人材がいいと聞き、その翌月にはベトナムに面接出張にでていました。思い立ったらすぐやるようにしています。

 「e-person」の社長は、最初にわが社にベトナム人材を紹介してくれた会社の元社員なのです。自分で独立したら最初の1年か2年は厳しかったと思います。でもグループ会社としてなら、生活の心配もしなくていいし、何か問題があれば相談できる人も周りにいる。私が女性経営者の会の代表もやっているので、人材に悩んでいる経営者に紹介しています。一人で起業するよりも、すぐ側に仲間がいるのは心強いと思います。

 次回は、ビジネスを成功させる秘訣や、起業を考えるARIA世代へのメッセージを伺います。

取材・文/平野友紀子 写真/花井智子