全国から問い合わせの電話が殺到

馬場 掲載の仕方もよくなかったんでしょうね。ホームページだけでは店の良さが伝わりにくいし、そのときは POS システムと基本契約金を足した金額に設定したので高いと思われたのかもしれません。今は、POSレジシステムの導入は自由にして、経営のノウハウを伝える研修などを含めた基本契約金を設定しています。

 それによく考えたら、子育て中のお母さんは商工会議所の女性起業家大賞なんて見てないですよね。せっかくいろいろ準備したけど、これは無理だなと思って諦めかけていたころに、『がっちりマンデー!!』(TBS系列)の取材が来ました。

 最初は、「まだまだ赤字でガッチリじゃないですから」と断ったのですが、もうかっていなくてもさくらやのように社会に貢献して頑張っている企業を紹介したいと言ってもらえて。そのとき担当者から「女性起業家大賞の過去の受賞者一覧の中から見つけました」と言われたんです。だから、女性起業家大賞も無駄じゃなかった。

 15年の放送直後から、全国のお母さんから問い合わせの電話がジャンジャンかかってきました。その反響はすごかった。それをきっかけに全国にパートナー店が増えていきました。

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高松で起業し全国100店超 大企業とコラボまでの苦労

取材・文/竹下順子(日経xwoman ARIA) 写真/洞澤佐智子

馬場加奈子
サンクラッド代表取締役
ばば・かなこ/1971年、香川県生まれ。東京女子体育大学を卒業後、高松市内の会社に就職。離婚後、3人の子どもを育てながら生命保険会社に勤務。2011年、学生服のリユースショップ「さくらや」開業。13年、株式会社としてサンクラッドを設立。パートナー制度を取り入れ、現在全国に102店を展開(22年6月現在)。17年、ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017子育て家庭応援ビジネス賞を受賞。女性の起業支援活動にも取り組み、総務省の地域力創造アドバイザーに任命されている。20年から学生服リユース協会代表理事