もうけよりも店が広がって継続できることが大事

馬場 そこでもうけようとは思わなかったんですよね。それにフランチャイズ制だと、沖縄に店ができたら指導に行かなくてはならない。子どもが3人いる私には無理ですよね。組織を作って人を雇ったとしても、その分がみんなの負担になる。私にとって大事なのは、さくらやのような店が全国に広がって、それが継続できること。みんなが続けていけるような仕組みとして、今のパートナー制度にたどり着きました。パートナーの月会費は9500円です。最初は月3500円だったので、子どものそろばん塾代より安いと言われました。

 パートナーさんたちが、さくらやというお店を自分の「場」にして、地域で自由に活動してくれたら、自分にもうけができるよりもいい。それに、さくらやの仲間が全国に増えることで、私には(講演活動など)別の仕事が来ると思ったんです。

―― パートナー店が全国で100店を超えたと聞きましたが、どうやってそこまで広げていったのですか?

馬場 創業2年目ごろから高松の近県には知られるようになったのですが、それ以外の地域にはなかなか広がりませんでした。どうするか悩んでいたとき、目に留まったのが商工会議所の女性起業家大賞のポスターです。賞を取れば全国から問い合わせがくると思って頑張ったんですよね。そうしたら、スタートアップ部門で優秀賞をもらうことができた。

 これで事業が広がると思って、賞金でPOS(販売時点情報管理)システムを開発し、契約金も決めてホームページに掲載しました。それだけ準備をして待っていたんですが、2年間まったく反応がなかった。今まであった問い合わせの電話もピタっと止まってしまって。ショックでしたね。

―― 何が原因だったのでしょうか。