自分の強みが分からずに苦しんだ日々

塚田 「どこででも働ける自分になりたい」とは思ったものの、自分にどんな力があって、何を提供すれば喜んでもらえて収入になるのか、まったく分からなくて。起業を決めてから、いろいろ調べ始めました。まずはオンラインでできる仕事として、ウェブマーケティングの起業塾に入りました。

 それが正解かは分かりませんでしたが、とにかく悩んでいる時間がもったいなかった。授業料も決して安くはなかったのですが、行動しながら考えようと。でも、最初の半年は「自分の強みって何だろう」の答えが見えなくて、苦しい日々でした。

―― 自分の強みが分からない状態だったんですね。そこからどうやってビジネスにつなげていったのですか。

塚田 起業塾で出会った先輩や、既に事業を始めている塾生の話を聞きながら、忙しそうだなと思うところをボランティアで手伝うことから始めました。その人が持て余していて、自分にできそうなことを探して、「やりますよ」と声をかけた。そうしながら、人がどうやって起業しているのか、どうサービスを成立させているのかを観察していました。起業塾はそういう意味で役に立ちましたね。

 周りの起業家の方を手伝っていると、「私のことも手伝ってほしい」「これも手伝ってほしい」という人が増えていきました。そこで感じたのは、前を走る人だけでは、なかなか走り切れないということ。そういう意味で、自分は前に出るタイプではなく、相手が困っているところを見つけてフィットするのが得意なタイプだった。それが私の強みだと気づいたんです。

 突き抜けたものはないけれど、全体を俯瞰(ふかん)して臨機応変に必要なところをサポートする。人に伴走することが喜んでもらえることだと気づいて、それをビジネスにしようと考えました。

Q 起業するために大切だと思うことは?
Q 起業するために大切だと思うことは?
A 悩んでいても行動すること。何かを手に入れるためには圧倒的に行動しなくてはいけないと思っています

塚田 そこからは気持ちが楽になって、どんどん前に進んでいけました。そういう強みは、家族をサポートしたり、転勤で新しい環境に何度も飛び込んだりしているうちに身に付いたものなので、専業主婦生活も無駄ではなかったと思います。

―― 伴走するから会社名がVANSO(ばんそう)なんですね。具体的にはどんな事業でしょうか。