ビジネスの場におけるジェンダーバイアスについてはいろいろな実験報告があり、結論を先に言うと「仕事の有能さと好感度は、男性の場合は正比例し、女性の場合は反比例する」。つまり、デキる男性は好意的な印象を持たれるが、デキる女性は嫌われる、ということです。

 スタートアップ起業では、投資家や役員に対して、自分の有能さをPRし続けなければなりません。そのため、「好感度高く見られたい」という欲求は、女性経営者の場合は、どこかで諦める必要があるかもしれません。ただ、人間、年を取ると、どんどん他人の目が気にならなくなる傾向もあると思いますので、女性には熟年起業が意外と向いているかもしれませんね(笑)。

Q 起業家であり続けるモチベーションや、目指すゴールは?

―― 起業後も苦労が絶えないと話されましたが、それでも頑張れるのはなぜですか?

加藤 今後、日本はどんどん人口が減っていきます。それはすなわち、マーケットが縮小するということ。そうなれば、製造業であればマーケットのある国へ生産地を移すことは避けられないでしょうから、国内産業の空洞化に拍車がかかる可能性もあります。

 そんな中で、マーケットに大きな伸びしろがあるのが観光産業です。日本には、美しい自然や文化、豊かな食文化など、多様な観光資源があります。外国人旅行者の数は急速に伸びていますが、これは2020年にオリンピックがあるからという一過性の要因ではなく、日本から近い距離にあるアジアの国々の経済発展による構造的要因によるもので、外国人旅行者数は2040年ぐらいまでは伸びると見ています。

北京で開催された2018国際冬季運動(北京)博覧会にて。2022年北京冬季五輪を控えて、スキーなどウインタースポーツの人気が中国では高まっている(写真提供/加藤さん)
北京で開催された2018国際冬季運動(北京)博覧会にて。2022年北京冬季五輪を控えて、スキーなどウインタースポーツの人気が中国では高まっている(写真提供/加藤さん)