―― そうしたスキルは、これまでの仕事で培ったのですか?

 どちらかといえば、仕事と育児の両立のなかで身に付けたスキルかもしれません。3人の子育て(取材時で16歳、14歳、12歳)をしながら仕事をしていると、時間がいくらあっても足りないんです。どこかで上手に切り替えながら自分をマネジメントしていかないと、精神的にキツくなると感じたことがありました。

 すべて完璧にやろうとせず、できないものはいったん手放して、次のタイミングでまた向き合う。そういう生活を繰り返してきたせいか、短時間で効率よくパフォーマンスを上げることが得意になりましたね。子育てをしながら仕事をするすべてのお母さんがそうだと思います。

昔の同僚が理念に賛同。「副業」で開発に参画するスタッフも

―― 起業して、一番やりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか。

 やっぱりユーザーからの声はエネルギーになりますね。少し疲れたときにコメントを読み返すと元気が出ます。「こんなサービスがあったら、もっと使いやすくなるかな」とか「ユーザーにもっと喜んでもらうにはどうしたらいいだろう」と考えているときが、私にとって幸せな時間です。

 現在「キュカ」には3人の社員が勤務していて、みんな元Yahoo!知恵袋のメンバーです。全員に共通しているのが、「人に役立つサービスをつくりたい」という情熱を持っていること。やりたいことをどんどん提案してくれるし、楽しんで仕事に向き合っている自慢のスタッフたちです。

「『人に役立つサービスをつくりたい』という情熱で、3人の社員と仕事をしています」
「『人に役立つサービスをつくりたい』という情熱で、3人の社員と仕事をしています」

―― 同じ志を持つメンバーが周りにいるのは心強いですね。ヤフーが運営するコワーキングスペースを使って仕事をされていますが、ヤフーとは今、どういう関係なのですか?

 資本関係や業務提携などはまだありませんが、デザイン、ビジネス、データサイエンスなど多様な分野で、ヤフーの現役メンバーも「副業」で仕事を手伝ってくれています。