読み物を充実させると、商品が売り切れでも楽しんでもらえる

佐藤 開店して間もない頃は、北欧ブームでほとんどの商品が売り切れることもあったのですが、読み物を充実させていると、読み物を目当てに訪れてくれるお客様も多いことに気づきました。愛情を注いで、地道にコンテンツを制作していくうちに、ユーザー数が伸びていきました。

 「北欧、暮らしの道具店」は、ある価値観やテイストを持ったお客様と密なコミュニケーションを重ねて、特異な関係性を築いているのが強み。その中でものを作ったり売ったりすることで、お客様にも喜んでもらえているのかな、と最近では感じます。この強い関係性があるおかげで、ECサイトながら企業のタイアップ広告などのお話をいただけているのだと思います。

―― 商品を買った人には小冊子が届きますね。さらに、ついにはドラマまで制作。その狙いは?

佐藤 私たちの「フィットする暮らし、つくろう」という考え方を、買い物以外でも楽しんでもらう方法、幅広く知ってもらう方法があってもいいのでは、という狙いで始めました。メッセージを伝えるのに付随して、私たちの人となりをお客様に知ってもらえたら、より安心して、親しみを持ってコンテンツを受け取ってもらえるかもしれない、とも思いました。

 商品を買うと、2冊の小冊子が一緒に届く。人にフォーカスした読み物と、モノにまつわるストーリーを語る読み物。どちらにもカタログや宣伝の要素はほぼない
商品を買うと、2冊の小冊子が一緒に届く。人にフォーカスした読み物と、モノにまつわるストーリーを語る読み物。どちらにもカタログや宣伝の要素はほぼない