「北欧」は変わらない価値観を表すキーワード

―― 店名こそ「北欧」「暮らしの道具」ですが、現在は他の国のものや国産のもの、雑貨以外の商品もあります。商品セレクトの基準は?

佐藤 セレクトの軸となっているのは、北欧の人々の暮らしぶりからインスパイアされた「フィットする暮らし」、「自分のものさしで満足できる暮らし」という価値観。あとは自分たちが「こんなものが欲しい」と思えるものですね。3年ほど前からはオリジナルの洋服や雑貨のブランドも立ち上げました。思っていた以上にお客様の反応が良くて、現在はオリジナルを全体の4割程度まで増やしています。商品の幅は広がっていますが、「北欧」は、変わらない価値観を表す大切なキーワードだと考えています。

―― 「北欧、暮らしの道具店」は読み物などのコンテンツが豊富で、もはやメディアと呼べるような存在感があります。

佐藤 開店当初から、ブログや商品紹介を定期的に書いて、メルマガでは企画ものの記事を連載していました。とにかく、それまで自分たちの居場所を探して職を転々としてきた兄妹だったので、ネット上に自分たちの店ができたことがうれしくて。読み物を書くという、好きなことが仕事になって楽しくて仕方なかったんです。

「読み物を書くという好きなことが仕事になり、楽しくて仕方なかったんです」。サイトの目次では、読み物が商品よりも上に位置している
「読み物を書くという好きなことが仕事になり、楽しくて仕方なかったんです」。サイトの目次では、読み物が商品よりも上に位置している