「第7回ウーマン・エグゼクティブ・カウンシル」は、WOMAN EXPO TOKYO 2019 Winterのプレイベントの一環として、11月29日(金)に東京ミッドタウンで開催されました。「優秀な女性たちを企業の意思決定層に送り込む」という流れを加速させるべくスタートした本イベント。今回も、経営トップを目指す女性たちや企業のダイバーシティ担当者など、同じ想いを持つ人々が詰めかけました。

 まずは日経BPの高柳正盛が、主催者を代表して挨拶。自身の記者時代を振り返り、「以前は、企業のトップや幹部を取材しようとすると、男性ばかりだった。だが、最近は、当たり前のように女性のリーダーを目にするようになった」と、経営層に女性役員が増えつつある現状を語りました。

 さらに、昨今の経営のキーワードでもあるSDGs(持続可能な開発目標)について触れ、「その中でも特に女性活躍は重要なもの。これを無視して業績だけ上げればいいという時代は終わった」と、力説。「とはいえ、1988年から雑誌『日経WOMAN』を発行し、女性を30年以上応援してきた企業としては、まだまだ満足できるものではない。グローバルな視点で言えば、日本は男女の機会均等が相当遅れている。本イベントが、女性の活躍や女性リーダーの増加の後押しになれば」と強調し、挨拶を締めくくりました。

登壇された方々の記念撮影。右からアイスタイルの山田メユミさん、松屋の川合晶子さん、東京電力エナジーパートナーの長﨑桃子さん、大和証券グループ本社の田代桂子さん、アクセンチュアの堀江章子さん、同じくアクセンチュアの黒木慶比古さん、パネルディスカッションでモデレーターを務めた日経xwoman総編集長の羽生祥子
登壇された方々の記念撮影。右からアイスタイルの山田メユミさん、松屋の川合晶子さん、東京電力エナジーパートナーの長﨑桃子さん、大和証券グループ本社の田代桂子さん、アクセンチュアの堀江章子さん、同じくアクセンチュアの黒木慶比古さん、パネルディスカッションでモデレーターを務めた日経xwoman総編集長の羽生祥子

機関投資家が注視するのは、女性取締役比率

 次に来賓の挨拶として、内閣府男女共同参画局長の池永肇恵さんが登壇。女性役員登用について、最近のデータと国の取り組みを紹介しました。

 まずは6年間で女性の就業者数が288万人増加していることを挙げ、「働く場に女性は確実に増えた。ただ、管理的就業従事者に占める女性の割合は14.9%で、国際的に見ても非常に低い。上場企業においても、ここ7年間で女性役員比率が3.4倍になったが、全体の比率は未だに5.2%。政府は2020年までに10%を目標に掲げていたので、水準はまだまだ」と、厳しい現状を報告しました。

 続いて拡大しつつあるESG投資(環境・社会・ガバナンスを考慮して行なう投資)に話題を移し、「約7割の機関投資家が、女性活躍情報を投資判断に活用する理由として『企業の業績に長期的に影響があるため』と回答している。投資家が女性活躍というポイントで何より着目しているのは、女性取締役比率」と、機関投資家に対するアンケート結果を提示しながら強調。

「女性活躍で企業は強くなる」と題したテーマで、来賓のご挨拶に登場した内閣府男女共同参画局長の池永肇恵さん
「女性活躍で企業は強くなる」と題したテーマで、来賓のご挨拶に登場した内閣府男女共同参画局長の池永肇恵さん

 内閣府としては、「こうした調査結果を企業に広げていくとともに、女性役員育成研修事業や、『輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会』行動宣言の賛同者拡大に取り組むことにより、女性の活躍を後押ししていきたい」と語り、舞台を後にしました。