女性リーダーが増えればもっと大胆な決断ができる

大和証券グループ本社 取締役 兼 執行役副社長(海外担当) 田代桂子さん
大和証券グループ本社 取締役 兼 執行役副社長(海外担当) 田代桂子さん

 基調講演に登壇したのは、大和証券グループ本社の取締役兼執行役副社長の田代桂子さん。まずは女性役員を増やすために必要な施策について、同社の女性活躍の取り組みや自身のキャリアなどについて話しました。

 同社は、2005年に女性活躍推進チームを発足。2009年には、田代さんをはじめ4人の女性が同時に役員に昇格。当時の社長からは「4人が束になって戦え」と、アドバイスをもらったといいます。「男性中心の職場はまだ多い。女性同士のネットワーキングはとても大事」と、田代さん。さらに「もちろんそれだけではダメ。男性の認識を正さなければ」と力説。「女性はハードな交渉事をやりたくないはずという発想も、立派なアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)なのです」と話し、それを解消するには本音が話せるコミュニケーションの場が必要不可欠と強調しました。

 また、同社では2007年から19時前退社が励行されましたが、「ライフイベントに関わる制度は女性だけのものではありません。男性も安心して働ける環境を作ることが大事です」という話も、印象的でした。後半では、女性役員が日本に与えるインパクトについて触れ、「女性が活躍する場が増えれば、日本はもっと大胆な決断ができる社会になると思います」と、田代さん。最後は、「さらなる許容度」「伝える力」という、女性活躍推進に求められるキーワードを2つ紹介し、舞台を後にしました。