役員昇進には不安が先立つがビジョンを持てば打破できる

 世界52カ国200都市以上にオフィスを持つ総合コンサルティング企業のアクセンチュア。まずは、同社の役員であり、インクルージョン&ダイバーシティをリードする堀江章子さんが登壇しました。

アクセンチュア執行役員 金融サービス本部 アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区 証券グループ統括 兼 インクルージョン&ダイバーシティ統括 堀江章子さん
アクセンチュア執行役員 金融サービス本部 アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区 証券グループ統括 兼 インクルージョン&ダイバーシティ統括 堀江章子さん

 アクセンチュアのグローバルでの社員数は約47万人。世界各国で事業を展開する同社にとって、インクルージョン&ダイバーシティは経営上の重要な戦略だと堀江さんは言います。「多様性とともにイクオリティ(平等)の文化があると、それを持たない会社に比べ、11倍ほどイノベーション創出への影響力が高まる」と力説。そのうえで、本講演のテーマである「ステップアップする際に障害となる思い込みを、どう乗り越えるのか」について話を進めました。

 話し始めて早々に、「隣の方と、現在、自分にとって障害だと思うことを話し合ってみて下さい」と、堀江さん。そして5分後、客席に「今、隣の方が話していた内容は、本当に障害でしたか?」と問いかけました。

 多くの女性は管理職になることに対し自信が持てず不安をもっています。堀江さんは、経営幹部になる前の自分へ手紙を読み上げる形で、「今、振り返ってみると、不安に思うより、自分の目指すリーダー像やビジョンをしっかり作ることが必要だった」と、強調しました。

 影響力、社会的認知度、経済的なメリットなど、管理職になる利点は多岐にわたります。堀江さんは、「今もあなたは、様々なシーンでリーダーシップを発揮しているはず」と話したうえで、「仕事仲間に自分の評価を聞いてみるのもいい。マイナス面だけでなく、プラス面も教えてくれるはず。そこがあなたのリーダーシップポイントかも」と、アドバイスしました。

 具体的なビジョンも、前に進む良き材料となるといいます。「帰宅したら、2030年の自分に手紙を書いてみて下さい。課題を克服した結果、どんなリーダーになっているのか、イメージできると思います」と語り、講演の幕を閉じました。