女性のキャリアとライフスタイルを支援する月刊誌『日経WOMAN』は、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」の大賞者・小巻亜矢さん、特別賞・近藤麻理恵さんを含む、今年の受賞者8人を決定いたしました。

■大賞
小巻亜矢さん(60歳)サンリオエンターテイメント代表取締役社長
■準大賞
長嶋 愛さん(39歳)NHK ディレクター
〈受賞者5名〉
石川賀代さん(51歳)社会医療法人 石川記念会理事長、石川ヘルスケアグループ 総院長
片岡真美さん(54歳)森美術館 副館長兼チーフ・キュレーター
林 有理さん(39歳)大阪府四條畷市 副市長
平田麻莉さん(36歳)一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 代表理事
水越由利子さん(44歳)江崎グリコ マーケティング本部 ベビー・育児マーケティング部 ブランドマネージャー
〈特別賞〉 片づけコンサルタント 近藤麻理恵さん 

【ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020 総括】

 令和元年は、既存の枠組みにとらわれず、変化をつくりだす女性が活躍した年でした。

 大賞に選ばれたサンリオエンターテイメント代表取締役社長の小巻亜矢さん(60)は、来場者数が低迷し、赤字が続いていたテーマパーク「サンリオピューロランド」に着任し、2年で黒字化させるという“奇跡のV字回復”を牽引しました。その手法は、社内のコミュニケーションを見直すという“組織変革”。社員全員と面談するなど “人を育む”施策を重ね、全員が自発的に動く組織へと変革させました。従来の支配型リーダーシップでなく、対話を通じて組織を育てたリーダーシップは、成果の出ない組織を抱える、すべてのリーダーの手本となるものでした。主婦生活11年を経て仕事に復帰、その後、経験と学びとを重ね社長になった経歴も、女性がいくつになってもチャレンジできる時代の新しいロールモデルとして高く評価し、今年の大賞となりました。

 ハンディキャップを抱えながら、素晴らしい作品を世に送り出したディレクター、ICT化の推進など、高齢化社会での新しい地方病院の在り方を示す病院理事長、働き方改革で後手に回るフリーランスの地位向上のために尽力する協会代表理事など、今年の受賞者たちは、当たり前とされてきた価値観を見直し、自ら変えていくことで、「働き方改革」「ダイバーシティー」「地方活性化」「災害対策」といった社会課題解決へのヒントを示しています。

 受賞者全員が、性別の壁を越えてロールモデルとなり得る活躍を見せました。女性の活躍が日本を変える――。それを証明するような受賞者が揃いました。