限界濃度を超える美容液を作る技術的な難しさ

―― 具体的にどんなところが難しいのですか? ビタミンを20%や25%溶かすというのは、研究者でないとその難易度が分かりにくいです。 

高橋 オバジCに関しては1人の担当者が15年間開発していたわけではなく、色々なメンバーが入れ替わって担当していたわけですが、「これ以上の高濃度は難しい」というのは、初代開発者の見解でもありました。

 「溶かす」というのは、粉の状態のビタミンCが、液の中で完全に透明になることを指します。ビタミンCは水に溶けやすいにもかかわらず、水の温度によって、溶ける濃度に限りがあります。

―― 「オバジC20セラム」の濃度で、既に限界だったと聞きました。

高橋 はい。ビタミンCを高濃度で安定的に溶かし込むために採用した技術も非常に高度なもので、「20%を溶かす」を実現できたことも、非常にハードルが高い挑戦だったのです。

 よく知られているように、ビタミンCは肌へのUVダメージを防ぎます。しかも、濃度が高いほど効果が高まることは私たちの実験でも分かっています。より高濃度な「オバジC20セラム」の発売で、肌への効果を実感したというお客様の声を、さらに多くいただくようになっていました。

「『オバジC20セラム』の発売自体が、非常にハードルが高い挑戦だったのです」

―― もっと高濃度を目指したい、という気持ちが現場にもあった?

高橋 はい。経営側からも「限界濃度を超えるものを作ろう」という要望がありました。しかし「オバジC20セラム」を超える濃度への挑戦は困難を極め、幾度となく失敗を繰り返しました。溶媒を変えるなどあらゆる可能性を模索しましたがうまくいかず、開発チーム内でもあきらめムードがただよいはじめました