ワーキングウーマンのためのイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2019」が2019年5月18~19日、東京ミッドタウンで開催され、「いつでも始められる。いつでも変えられる」をテーマに、伊達公子さんのトークショーが行われました。プロテニスプレーヤーとして世界ランキング最高4位まで登りつめた伊達さん。26歳で一度現役を引退するも、11年半のブランクを経て37歳の時に再び現役復帰。二度目の引退後も大学院進学など新たな分野に果敢に挑戦する姿はARIA世代に大きな勇気を与えてくれています。トークショーの後半では、伊達さん自身の心や体との向き合い方について詳しく聞きました。

(上)37歳で現役復帰 挑戦への葛藤と舞台裏
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伊達公子 37歳で現役復帰 挑戦への葛藤と舞台裏


決意をゆるぎないものにするために背中を押してもらう

―― トークショーの後半では、伊達さんが普段どのように自分の心や体と向き合っているのか、様々な角度から質問を投げかけたいと思います。それでは、最初のクエスチョンです。

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Q1 物事を決めるときに悩んだり、相談するほうですか。
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伊達公子さん(以下、敬称略) そうですね……大きな決断には、結構時間がかかるほうだと思います。自分の中でだいたい答えは決まっているんですが、その決断に行き着くために信頼できる人に意見を聞いたり、アドバイスをもらったりして、自分を納得させるというか。なので、「相談」ではないのかもしれませんが、自分の思いや考えを確認して、納得させる作業に時間をかけるほうなので、即決型ではないでしょう。

―― 他の人に意見を聞きつつ、自分の中の答えを明確にしていく感じでしょうか?

伊達 そうすることが多いかな。第二キャリアをスタートさせる時も、一人で悩みに悩んで、何人かの方に「今こういうことを考えているんですけど……」と意見を聞かせてもらいました。最終的に16歳からテニスの指導してもらっていたコーチのもとに行き、「私がこれから言おうとしてることに対して、『そんなことを考えるな』と思うなら、はっきり言ってください」と前置きして、「実はもう一度真剣勝負の場に戻ろうと考えています」と聞いてみたんです。すると「面白いんじゃない」と言ってくれて、その言葉で最終決断しました。自分の中でほぼ答えは決まっていたけれど、最後にとどめを刺してほしかった自分がいたんです。

―― もし反対されていたら、やめていましたか。

伊達 反対されていたら……もう1人に聞いていたかもしれません(笑)。「OK」と言ってくれる人が現れるまで、探していたでしょうね。でも、長い付き合いのコーチだったので、「きっとそうは言わないだろう」と心のどこかで分かっていました。だから最終的にその方のもとに行ったんじゃないかと思います。

「自分の思いや考えを確認して、納得させる作業に時間をかけるほうなので、即決型ではないでしょう」
「自分の思いや考えを確認して、納得させる作業に時間をかけるほうなので、即決型ではないでしょう」