ワーキングウーマンのためのイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2018」が2018年12月に東京ミッドタウンで行われました。オープニングを飾ったのが「あたらしい私、挑戦しつづける私」と題した柴咲コウさんのトークショー。大河ドラマの主演という大役を務めながら、2016年11月に起業。撮影が休みの週末を使って起業の準備を進めたという柴咲さんが、仕事との向き合い方を語りました。ARIA世代にも、参考になる話が満載です。

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柴咲コウ 「中堅」になり、36歳で起業を決意した


―― 柴咲さんは今、人の生活に欠かせない「衣食住」と向き合いたい、と考えています。着る人にとって心地よく、かつメンテナンスが簡単で、さらに石油産業の次に環境負荷が高いアパレル産業を変えたい、という思いで取り組む「アパレル事業」、また、化学調味料を使わず、疲れたときに心からおいしいと思える「ごほうびレトルト」などの「食品事業」。そこに貫かれるこだわりとは?

癒やしてくれた飼い猫に、頑張った自分に。一日の出来事の中から5つ「ありがとう」を探しているという柴咲さん
癒やしてくれた飼い猫に、頑張った自分に。一日の出来事の中から5つ「ありがとう」を探しているという柴咲さん

柴咲コウさん(以下、敬称略) こだわり……。ものづくりをするときに、妥協しない、ということはもちろん重要です。でも、ビジネスでも、生きる上でも、こだわりはなるべく少ないほうがいいのかな、と思っています。自分の思いが強くなり過ぎて周りが見えなくなると、「これが正しい!」とかたくなになりやすい。でも、そこまでこだわらずとも、人の意見から、意外な違う側面を発見できることも多いと感じていて。人の意見を素直に求めながら、ナチュラル、そしてフレキシブルでありたいですね。

 もちろん、プロダクトを作る際に、どうしてこれが良いか、という説明がしっかりできないと、それは世に出す価値は小さいと考えます。良いものを生み出すための議論は常に大切にしたいし、これからも議論していきたいと思っています。

空間を整えると頭の中もクリアになる

―― マルチタスク派を自称する柴咲さんは、空いている時間を無駄にしたくないと、ついタスクをぎっちり詰め込みがち。緩急のうちでいうと「急」に偏る傾向にあるので、何もしない時間をつくることを大切にしているといいます。