ホルモン補充療法にはいろいろな薬がある

善方 低用量ピルは、図のようにホルモンが乱高下している状態を、よいしょっ! と低め安定に抑えるために、強いホルモン活性が必要です。点線になっているところが本当の自分のホルモンライン。それを低めに抑え、排卵しないようにすることによって、子宮内膜がぶ厚くなるのを防ぎます。それによって経血量を減らしたり月経を楽にしたりする、という働きがあります。

 だから低用量ピルは、PMS(月経前症候群)や、月経の痛みが強い月経困難症に処方されているんです。どうして低用量と言われるかというと、もともとその前には中用量ピルというのがあったのです。でも、副作用が問題となり、用量を減らしたバージョンだから「低用量ピル」という名称になった経緯があるんですよ。

 いっぽう、ホルモン補充療法は、更年期に用いるもの。急激に減少するホルモンを補うことによって、閉経からの体調変化をソフトランディングに導いて、症状を和らげます。月経困難症の治療のために低用量ピルを使っていた人の場合、揺らぎの時期に入ってくると、様子を見ながら、ホルモン補充療法に切り替えていくことがあります。

ナヲ 私みたいに、ピルを飲んだことがない人が、いきなりホルモン補充療法を受ける、というのはアリなんですか?

善方 もちろんありですよ! まだ月経がある人でもホルモン補充療法で楽になる人もいれば、ピンとこないといって低用量ピルにしてみたら良くなる人もいます。ホルモン薬は効き方に個人差があるので、一定期間使ってみて、自分に合ったタイプのホルモン薬を探すのがよいですね。

ナヲ 全然知らなかったんですけど、ホルモン補充療法の中でも実はいろんな薬のタイプがあるんですね。