エストロゲンが減ると、美の御利益が減っちゃう?

ナヲの疑問2 太りやすい&薄毛&尿漏れは更年期のサイン?

ナヲ 続いての疑問です。太りやすいのは更年期? ……って私はずっとぽっちゃりなんですけど(笑)、30代を過ぎて、40代になり、最近は水飲んでも空気吸ってるだけでも太ります!

善方 私のことを言うと、「太りやすさ」から更年期がやってきました。3カ月で5キロ増。女性ホルモンが減少してくると、健康を守ってくれていた御利益が減って、太るだけでなく、コレステロール値も上がってきます。食事に気を付けるだけじゃ間に合わない、運動量を上げないと体重キープが難しくなってきますねぇ。

ナヲ 私は産後の薄毛がすごかったのですが、ここにきて、また薄毛、抜け毛が気になっています。

善方 産後はみんな髪が抜けやすくなるの。妊娠中にエストロゲンが増え、産後一気に減少するのですが、エストロゲンが減ると毛髪の伸びが休止しやすくなるのね。授乳中はエストロゲンが低い状態が続くから、毛髪が新たに生えてくるサイクルが遅くなるんです。

 また、更年期になると髪の毛のこしや艶も低下してきます。漢方医学で、「女性の体は7の倍数で変化する」という考えがあるのですが、その考えでは「35歳から髪のハリが衰え、42歳で白髪交じりになる」と。そうやって古来いわれているくらい、年齢と髪の毛は関係しているんですね。

ナヲ そうなんですね。あと、先生、産後の尿漏れがけっこう気になっています。娘と縄跳びができなくて。あらかじめトイレに行っておいても、ジャンプが危険!(笑)。これもプレ更年期の症状?

「太りやすいのは更年期? ……って私はずっとぽっちゃりなんですけど(笑)」
「太りやすいのは更年期? ……って私はずっとぽっちゃりなんですけど(笑)」

善方 はい、更年期には、ジャンプしたりしておなかに力が入ったときに尿漏れが起こりやすくなります。女性ホルモンが減少する時期には筋肉が緩みやすくなるのね。すると膀胱(ぼうこう)をはじめ、骨盤底筋の筋肉が緩んで、尿を抑えきれなくなるといわれています。

ナヲ 前回、連載でお話ししたときに、尿漏れを防ぐエクササイズを教えてくださいましたよね。

善方先生のワンポイントアドバイス
閉経前後の体の変化には、エストロゲンが関わる

エストロゲンが関わるのは、生殖器だけではありません。エストロゲンの受容体は全身に存在し、脳や中枢神経、心臓や血管、脂質代謝(コレステロールや中性脂肪)、骨、皮膚などの健康に深く関わっています。このため閉経以降のエストロゲンの急激な減少は、物忘れやうつ、心血管疾患リスク、骨量の減少などさまざまな症状につながることがあるのです。
善方さんの講演資料より
善方さんの講演資料より