プラトン、ニーチェ、ショーペンハウアーetc.名前を聞いただけで、頭痛が起きそうな大物哲学者たち。でも、哲学は今や働く女性の必須教養です。古今東西の哲学者が人生をかけて導き出した哲学を応用すれば、思考のショートカットになり、生きやすくなること間違いなし! では、ARIA世代の悩みを大物哲学者に相談するとどうなる? 山口大学教授の小川仁志さんが、歴史上の哲学者になりきってズバリ回答。「哲学的思考」も学べる連載第3回は、老子に孤独を訴えます

今回のお悩み
仕事ではそれなりに成果を出してきましたが、気づいたら独身のままもうすぐ45歳。同期入社には、既に成人する子どもがいる女性もいれば、結婚・離婚・再婚までしている人もいて……。彼女たちの人生とは大きく水をあけられた気がして、焦燥感に駆られます。

 周囲から見たらキラキラ輝いている人でも、「私の人生は本当にこれでいいのかな」と疑問を感じたり、「これからどうなるのだろう」と不安を覚えたりすることはあるでしょう。日ごろから仕事で頑張ってきた人、周囲に弱いところを見せずに休まず走り続けてきた人ほど、立ち止まったときに途方に暮れてしまいがちです。そんな心が風邪を引いている状態のときの特効薬が、老子の哲学です。

ゲスト回答者プロフィール
老子(生没年不詳)
中国、春秋時代の道家の祖。『史記』によれば楚の人で、周の守蔵室(図書室)の書記官。道徳を修めたが名もなき存在であることをよしとし、衰退する周を去る途中、関所を通り役人に教えを請われて書き上げたのが、2巻81章から成る『老子』(編さんされたのは後の世)。