人材情報サイト「しゅふJOB」の運営などを手掛けるビースタイルの管理部門で働く早川裕子さん(58歳)。20歳で就職、OAインストラクターとして活躍するも、結婚退職して専業主婦に。夫の早期退職を機に、15年間ものブランクを乗り越えて再就職を果たした。「社内ではさまざまな部署を経験し、今や創業メンバーと同じぐらいの古株です」と言う早川さんのキャリアとは──。

(上)専業主婦歴15年 長すぎるブランクはねのけた訴求力 ←今回はココ
(下)週2回のパートから出発 念願のコーディネーター職に

今の会社の社歴は13年。創業メンバーをはじめ、社員からの信頼も厚い
今の会社の社歴は13年。創業メンバーをはじめ、社員からの信頼も厚い

 まだ男女雇用機会均等法もなく、「寿退職」「専業主婦」が当たり前だった時代。早川裕子さん(58歳)も当時は「仕事を辞めることに、何の疑問も迷いもありませんでした」と言う。

 早川さんは20歳のとき、商社に英文タイピストとして就職。その後に転職して、大手電機メーカーでワードプロセッサーのインストラクターとなった。まだ女性のインストラクターが珍しく、「社内の女性インストラクター第1号」として転職雑誌に紹介されたこともある。23歳で社内結婚し、専業主婦になった。

 「私の実家は自営業で、母は仕事に家事に365日、休みなく働いていました。母は常々、『自営業は浮き沈みもあるし、大変だから。結婚するなら毎月お給料をきちんともらえるサラリーマンにしなさい』と私に言い聞かせ、私も専業主婦に憧れるようになりました。また、義母は専業主婦で、夫も私が専業主婦になることを望んでいたんです」

 念願かなって専業主婦になったものの、家にいるだけの生活には「1年ぐらいで飽きてしまった」。

 「子どもはしばらく生まないつもりだったので、結婚して1年ほどで大手コンピューター会社のインストラクターとして働き始めました」。その後、「人と人をつなげる」という仕事に興味を持ち、人材サービス会社で企業からの求人と人材をマッチングするコーディネーター職に転職。ところが、転職後1カ月で妊娠が分かった

 当時は産休や育休を取得して働き続けるという選択肢がなく、入社したばかりの人材サービス会社を退職。専業主婦となり、29歳で長女、33歳で次女を出産した。