夫の早期退職で再就職を決意 「人と人とをつなげる仕事がしたい」

 ようやくPTAから解放された頃、早川さんに転機が訪れる。夫が会社の早期退職制度に手を挙げ、転職することになった。希望の転職先には入れたものの、年収は下がってしまった。

 「そのとき私は45歳。長女が16歳、次女が12歳でしたからまだまだ教育費がかかります。『働いてもいい?』と聞いたら、『どうぞ働いてください』と言われ、再就職先を探し始めました」

 とはいえ、専業主婦歴15年。「何ができるか?」と考えたとき、真っ先に思い付いたのは清掃やレジ打ちの仕事だった。でも、せっかく働くなら、自分の興味のある仕事をしたい──頭の中を整理するうちに、ふと「人と人とをつなげる仕事がしたかった」と思い出した。

不採用が続くも諦めきれない

 「妊娠してすぐに辞めてしまいましたが、本当は人材コーディネーターを続けたかったと。いろいろリサーチするうち、主婦の「働き直し」をサポートするビースタイルの業務内容を見て『この会社は絶対に伸びる!』とピンと来ました。娘たちが小学校に入学した当初は、働くお母さんはクラスに5、6人でしたが、学年が上がるにつれて働く人が増えていきました。これからは働きたい母親が多くなる、そのサポートをする会社は将来性が見込める。『絶対にここで働きたい』と思いました」

 早速、コーディネーター職に応募したが、残念ながら不採用。まだ創業間もなかった同社は、企業規模も小さく募集人数も少数。職種を事務系や経理系に変えて応募したが不採用が続いた。

 「応募した時点で15年間もキャリアの空白期間がありました。でも、私自身はPTA活動で人や社会と関わっていたので、ブランクをブランクと感じていなかったんですね。『自分は必ず役に立てる』という気持ちでいっぱいでした」