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元専業主婦の「働き直し録!」

国連機関でキャリア形成、30代半ばで予期せぬ長期中断

(上)笹川平和財団・松野文香 11歳の原体験に導かれ、海外に飛び出し途上国支援の仕事へ


 「スペイン留学から戻った直後に、当時TBSでやっていた『地球ZIG ZAG』というテレビ番組に出演することになりました。一般の人が世界各国に滞在してさまざまな体験をするという内容で、好きでよく見ていたら、パキスタンに行きたい人を募集していたんです。そのとき応募はがきに書いた意気込みが、『人類みな兄弟! 私はどこへでも行きます!』。まさかそのときから笹川平和財団につながっていたとは(笑)」

 出演者に選ばれた松野さんが派遣されたのは、パキスタンの山岳地帯にある秘境フンザ。通訳は同行していたものの、夜はホームステイ先に一人きり。身ぶり手ぶりで現地の人とコミュニケーションを取りながら生活する中で、「テレビというツールを通して、普通なかなか行けないところへ入っていける。これこそ国際相互理解じゃないか!」と実感。番組制作の仕事に興味を持ったという。

 NHKに入局すると新人はもれなく地方局に配属され、松野さんは島根県の松江放送局へ。当時女性ディレクターは局内に一人だけ。時間的にも体力的にもハードな仕事に精力的に取り組む一方で、「1日も早く海外に出たい」という気持ちが募っていった。

「これからは女性の時代」NHKを辞めて米国の大学院へ

 「しばらく働いていれば番組制作で海外に出る機会もあったと思いますが、私は記者ではないので海外に赴任することはないし、いずれにしてもまだまだ先は長い。取材先で自分の道を見つけて頑張っているいろんな人たちを目の当たりにするうちに、とにかく時間がもったいなく思えてきたんです。

 一度思ってしまったら、私は動かずにはいられない性格。入局3年目でNHKを辞め、米国の大学院に入学。ディレクターをしていたときに第4回世界女性会議があり、これからは女性の時代だという思いを強くしていたことから、国際関係を専攻して開発と女性の分野を中心に学びました」

 大学院を卒業した後は、外務省が若手人材を国連機関に送る「JPO派遣制度」に合格し、国連開発計画(UNDP)の職員としてバングラデシュ事務所へ赴任。そこは世界各国にあるUNDPの事務所の中でも有数の規模で、数多くの開発支援プログラムが実施されていた。松野さんは貧困削減と人権のグループに所属し、女性のエンパワーメントと社会的弱者を支援する8つのプロジェクトを担当。ここで過ごした3年間は、キャリアの中でも特に大切な時間だったと振り返る。

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