専業主婦の経験に無駄なし　目指すは「相撲部屋の女将」

目指すイメージは「相撲部屋の女将さん」。ゼネラリストの経験値を高めたい

　現在の宮内さんはアドミニストレーション＆オペレーション職として、社内のバックオフィス業務全般に携わっている。代表取締役社長／CEOの岡島礼奈さんは講演会に登壇する機会が多いため、その調整や準備をしたり、会社の代表アドレスに来る問い合わせメールに対応したりと「何でもやる」毎日だという。

　「共用スペースが散らかっていたら片付けたり、細かなことに気づいて対応するよう心掛けています。社内には宇宙工学のエンジニアなど優秀な人が多く、とても刺激的。専門業務に集中して手続き等が漏れることのないよう、フォローするのもバックオフィスの大切な役割だと思っています。ポロポロこぼれる球を拾うように、もしくは相撲部屋の女将さんのようなイメージで、社内の雰囲気を良くし、みんなが働きやすい環境を整えられたらと思っています」

　とはいえ、自身に専門性がないことを痛感することもあるという。「20代のときにIRを担当していましたが、当時所属していた上場企業と、現在のスタートアップとではIRの仕事の内容が異なるため、私には即戦力や専門性がありません。そこはキャリアが断絶したつらさですね。でも、キャリアが途切れたからこそ新天地の職場に飛び込めたし、これからはゼネラリストとしての経験値を高めて、息の長いキャリアを築いていきたいです」

「ずっと働き続けていたら、それまでのキャリアを手放せなかったかも。いったん専業主婦になったからこそ、面白そうと思う仕事に飛び込めました」