人は私の何を見て年齢を判断するのだろう…そう思ったことはありませんか? 本日、河崎環さんに分析してもらうのはずばり「女と年齢、その見られ方」です。

 美容院に行って、目の前に出された雑誌の年齢層やジャンルにショックを受けたことはないだろうか。「うわ、私ってそう見られてるんだ」と。

自認する年齢やジャンルと、他者からの認識のギャップにモヤる

 自分の世代向けの雑誌がスムーズに置かれたら、年相応ということ。ちょい若い雑誌が置かれたら(『アラ若く見られちゃったわ』と積極的にその意味を曲解して)フフッとほくそ笑んだりする。

 だが、これまでに自分が手にしたこともないような、おば……、もとい、お姉さん世代向けの雑誌が、数冊の中の1冊ならともかく数冊全部その辺のセレクションでドンと置かれると、

「ああ、私、世間の目からは『その世代確定』なんだわー」

と悟る。さすがに悟る。

 女性ゴシップ週刊誌や主婦雑誌、「節約おかずムック」「怠け者主婦でもできる○○術」的なのが並んでしまうと(その雑誌自体に罪はない)、

「ああ、こんな毛玉だらけのセーターにジーパン(その呼び方自体がすでに昭和)にスッピンなんて所帯じみたカッコじゃなくて、もうちょっと生活感のないファッションで来るべきだった……」

と、いったん家に帰って出直したくなる。

 美容師さんを逆恨みしてはいけない。彼らは客の服装の細部から、その人に似合いその人が求めるヘアスタイルを見いだすのが仕事。仕事柄、日々たくさんのオンナノヒトを見てきている、その上での判断だ。

 ある時は、私を見て美容師さんの年齢察知レーダーに迷いが生じたのだろうか、とりあえず30代、40代、50代の女性ファッション誌が並び、ついでにイケメン俳優が半裸でほほ笑む表紙の「いい男特集」が出てきて、真っ先に「いい男特集」から読み始めた私である。うむ、なんだかんだ美容師さんの見る目の正しさを証明してしまった。

 だが、ある女性はこんな悩みを持つという。「童顔で年より下に見られ続けていたのに、ある時から年より上に見られるようになって。みんな私の何を見て年齢を判断しているんだろう……」。

 その通りである。みんな、私やあなたの何を見て判断しているんだろう?

美容院で女性ゴシップ週刊誌や主婦雑誌ばかり差し出されると、なんかモヤモヤ…
美容院で女性ゴシップ週刊誌や主婦雑誌ばかり差し出されると、なんかモヤモヤ…