暑かった夏も終わり、気がつけば人肌恋しい秋の気配に。新しい恋を求めながらも、経験豊富なARIA世代なら、甘い恋の魔法がとけた後にあらわになる現実の苦みも味わったことがあるはず。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないための推薦図書を、河崎さんが紹介してくれました。

 編集女史が、難しい顔をしてやってきた。

 「河崎さん、私、ARIAで離婚連載も担当しているのですが」

 「ほうほう」

 「好きで結婚したのに、いつの間にか『もう一緒にいられない』ところまで追い詰められてしまうっていうこと、ありますよね」

 「まあ、離婚ってそういうもんですよねぇ」

 「もちろんそこからの皆さんの脱皮や飛躍がすてきで、私としては学ばせてもらい、応援する気持ちでいっぱいになるのですけど。でも一度は愛したはずの相手との葛藤に苦しむさまざまなエピソードをうかがって、胸が痛むんです」

 「こんなはずじゃなかったって思い、聞くほうも胸が苦しいですよね……。いい本がありますよ。

 離婚や婚約破棄など1500件以上の男女問題に関する事件を取り扱ってきた弁護士さんが、結婚後に問題を発生させる男性の多くは『結婚前にそのサインを出している』、『だけど女性のほうが、彼がいつか変わってくれるだろうと期待をして(婚約や結婚をして)しまう』、『しかし男性のブラック性は簡単には変わらないので、失望が大きくなっていく』と教えてくれる本なんです……」

隠れモラハラ、浮気、マザコン、ドケチ、DV…「ブラック彼氏」図鑑

 「ブラック彼氏」とは、一見すると高スペック、だけど結婚した後にとんでもない事故物件だったことが発覚してしまう男性のこと……と始まるのは、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)などテレビでも大活躍の弁護士、堀井亜生さんによる書籍『ブラック彼氏 恋愛と結婚で失敗しない50のポイント』(毎日新聞出版)だ。

 「相談者から、なぜ離婚や破談になってしまったのか、出会いから現在までを順を追って事情を聞いていくと、その原因となる出来事や相手の性格に、一定の特徴があることが分かってきました」

 「その『原因』は、相手の男性の趣味、外見、性格、家族構成、職業といった男性のパーソナルデータから、結婚観、仕事観、家族観、金銭感覚、日々の言動など多岐にわたります。それぞれの事例をひもといていくと、多くの場合、結婚前に彼氏のブラック性を示すサインが何らかの形で出ていて、そのリスクが結婚後に顕在化しただけに過ぎないのです」(以上、『ブラック彼氏』より)

 人の性格はなかなか変わらないものなのに、結婚というタイミングを目の前にすると、それが刺激となって彼も変わってくれるだろう、さまざまなことが好転するだろうと、将来に対して過度の期待をしてしまい、「結婚をギャンブル化」してしまうと指摘する。

 いやー、この指摘が刺さって抜けない大人の女性はさぞかし多かろう。結婚25年(すなわちギャンブル歴25年)となる筆者も苦笑いするしかない(笑)。

 本の中では、ブラック彼氏を見抜くチェックポイント50によって、彼らを「隠れモラハラ系」「隠れ浮気系」「隠れマザコン系」「隠れドケチ系」「隠れDV系」の5つの類型に分けている。もう、類型からしてダメンズの腐臭がぷんぷんする。