いよいよ夏本番! この猛暑に打ち勝つためにも劇薬投入したいところですが、第2波なのか、1波めの名残なのか、いまだ収まらない新型コロナ不安で人の集まるところに出かけるのは、さすがにはばかられます。今回のテーマは、苦境に立つエンタメ事情です。アーティストもファンも、ニューノーマル時代のエンタメを模索しています。

エンタメ業界はいま青息吐息

 夏である。セミが全力で鳴いている。今年の日本にまた大打撃をもたらした長くしつこい梅雨がやっと明けたと思ったら、お盆だ。本当にどうなっているのか。お盆といえば帰省だが、国内移動もままならぬ状況ゆえに自宅にとどまる人も多い。ああ、都会でマスク生活はどこに行くのも暑い。

 そうだ、夏といえばフェスである。だが野外であっても音楽フェスなんてちょっと簡単には開催できる状況じゃない。コロナ自粛中も、あらゆるアーティストのライブや美術展が中止・延期となって涙をのんだ。あの払い戻しされたり利用停止になったりした数々のチケットはどうなったっけ、とチケットサイトを確認すると、だいたい「開催未定」か「完全予約制公開中」、「無観客配信決定!」のいずれかだ。無観客配信、ねぇ……姿を見られるだけうれしいけど……。

 秋以降の興行チケットも恐る恐る発売され始めているけれど、興行主も客も半信半疑なので、埋まりかたがイマイチ。私など、6月に発売されたクリスマスのライブチケットを「年末ならもう行けるのでは!」と勢い込んでポチったら、翌週に「やはり全国ツアー開催中止」とのお知らせが来て、「そんな速攻で中止決定するなら、なんで開催しようと思った?」と、落胆が大きいあまり今後そのアーティストを推す心が折れかけたほどだった。

夏といえばフェス! しかし、密になること間違いないし、ソーシャルディスタンスを保てば盛り上がりに欠けるし……(写真はイメージ)
夏といえばフェス! しかし、密になること間違いないし、ソーシャルディスタンスを保てば盛り上がりに欠けるし……(写真はイメージ)

 そうだ、涼しくて、おいしいバターポップコーンとビールが待っている映画館があるじゃないか。そう思って上映作品を調べると、全世界で撮影がストップしていた(今もしている)ので、上映する作品がない。「待望の!」とか言われても実のところ存在さえ知らなかった邦画とかアニメばっかりで、洋画は過去作品を無理やりIMAX上映している。もちろんそれもうれしいけれども、ありがたいけれども……。

 いやそもそも、本来2020年の夏は五輪だったのだ……。もう本当に、エンタメ業界はいま青息吐息である。元気なのは絶賛繁殖期のセミの鳴き声だけだ。