オトナの女たちの本音に毎回気持ちよく切り込んできた、河崎環さんの人気連載も、ついに最終回を迎えました。最後のテーマは、誰にでも1つや2つはある、人には見せられない「秘密のアレ」です。

 この日経クロスウーマン ARIA連載「オトナの劇薬」も、とうとう今月で最終回! 先行媒体の日経WOMANオンラインで「河崎環の それでも女は生きてゆく」連載が始まった2016年から数えて、なんと足掛け5年にわたってお世話になってまいりました。

 19年2月に日経BPの女性媒体リニューアルによって「日経ARIA」が誕生し、当時の編集者さんから「オトナの劇薬」という絶妙な連載タイトルをいただいたとき、河崎は自分のどこかで何かのリミッターが外れた音を耳にしました。「働く女性のための真面目な媒体で、毎回ハレンチなことを書きたいんだっ」

 おかげさまで、VIO密林脱毛だのノースリーブの二の腕がむっちりエロいだの、筋肉男子をねっとり愛でたいだの、年下男子に熟女ナンパされたいだのと、天下の「日経」の名の下でギリギリの線を踏みつつハレンチの限界に挑戦してきたとの自負がございます(何も褒められない)。そんなハレンチキャラでやってきた「劇薬」がちょっとシリアスな表情になった2021年初頭のジェンダー3部作は私なりの緊急提言でもあり、日本中からたくさんの反響をいただきました。

 最後は「劇薬」らしく不穏にヨコシマに、笑って散りたい! というわけで、最終回のテーマは

 「男子禁制! 死ぬ前に始末しておかないと、絶対安心して成仏できない『秘密のアレ』」です。

「もし今死んだら……」人には見せられないものが山ほど!

 憧れのバリキャリシングルの美人おばが入浴中に浴槽で孤独死し、主人公がその遺品の中にセクシーグッズを発見するという、とがりまくった幕開けが衝撃的な、カレー沢薫さんのコミックス『ひとりでしにたい』を読んで思ったのです。

 そういやオトナの女たちも長らく生きた分、秘密や不用品もたくさんためこんでいるよね、と。

 記憶の引き出しに閉じ込めた黒歴史や、ひた隠しにしているあの交際歴、世間には言えないあの人の存在、恥ずかしいヲタ本、アイドルグッズ、etc.。5月の陽気で気分のほどけたオトナの女たちに聞いてみると、出てくるわ出てくるわ……。