新型コロナウイルスの騒動、皆さんの仕事や生活にも影響していると思います。パンデミック(世界的大流行)での感染の不安と並んで不安なのは「日本の、そして世界の経済…どうなっちゃうの」ということ。河崎環さんのコラム、今回のテーマは「一生楽しく浪費するために」です。

パンデミックに世界恐慌? オトナの女は「正しく怖がる」

 ああ、今日も来た……。舞い込んだメールのタイトルは「基準価額下落のお知らせ」。細々と積み立てている投資信託商品の価額が今日も下がり、資産合計額が目に見えて減っていく。

 新型コロナウイルスショックで、世界経済が大変なことになっている。現物株の相場など、目も当てられない。目も当てられないから、配当目当ての長期保有株に関してはもう相場を見ないようにしたいのだが、やはりときどき怖いもの見たさで証券アプリを開いてしまっては頭を抱えている。はじめのうちは災害警報のように鳴り響いていた(←心象風景)日経平均株価大幅下落のニュースだが、あまりに連日底を割り込んでいくので、今じゃ鈴の音のようだ(←心象風景)。

 「世界恐慌」とか「終わりの始まり」とか、ネットはそういうことを言いたがるけど、いやいや、筆者も半世紀に満たず生きてきただけの身ながら、生まれた年のオイルショックからバブル崩壊からリーマン・ショックから、恐慌っぽいのなら何度か経験してきた。この「オトナの劇薬」読者なら、似た時間軸をなぞってきたはず。

 社会人になるかならないかでバブルが大崩壊して、焼け野原で瓦礫(がれき)を集めて大人への一歩を踏み出した、しぶとい私たちだ。めったなことでは「終わらない」し「終わらせない」。こういう局面でもある程度冷静でいられるのは、数々の経済危機も、事件も、災害も、2005年のSARSも、2009年の新型インフルエンザも、大人の立場で経験してきた女たちならでは。「正しく怖がる」という言葉の意味を知っているのである。

相場下落で失ったあの金額で、何が買えたか…などつい考えてしまうけれど
相場下落で失ったあの金額で、何が買えたか…などつい考えてしまうけれど