年下の男にハマるツボ

 「筋肉のきれいな男子が好きなの」と豪語してはばからない女性医師は、フットサルが趣味だという年下の彼の試合を応援しに行き、「チームメートが『みんな、○○ちゃんを囲んで円陣組もうぜ』って一番年上の私を囲んで一斉にハッスルな声を掛け始めたのよう」と口元を緩めた。

 大学でデザインを教える女性は、息子かというほど年の離れた教え子の男子が「グイグイ来るから仕方なく」、井の頭公園で一緒にボートこいじゃった、何十年ぶりかなぁと遠い目をしてみせたが、その視線はとろみを帯びていた。

 最もスタンダードに聞こえる「仕事で出会った」年下の男子と再婚した外資系メーカーの彼女さえ、実は(前)夫との問題を相談するうちに駆け落ち同然で同居を始め、すったもんだの末の再婚劇を繰り広げたのを私は知っている。

 そして私は気が付いてしまった。

 彼女たちが年下の男にハマるツボとは、実はズバリ一つなのだ。

 果たしてそれは……明日のお楽しみに。

文/河崎 環 写真/鈴木愛子