「いいことを聞いてくれました! 男の子なのよ~。初めての『男の子』育て! だからかしら、もうかわいくて、かわいくて、かわいくて」

 かわいくて、を3回も言った彼女は、大学生と高校生の娘を持つ、バリキャリワーキング母。すかさず私に「ウチの子(犬)の写真、見る? すごく上品な顔立ちしてるのよ~、美形なの~」とスマホをグイグイ押し付けてくるので「犬を飼いだした人ってもれなく写真見せたがるよね、って話も、以前二人でしてましたよね……」とつぶやいたら、「そうなのよ! 自分もそういう生き物なんだって知ったわ~」と気にするそぶりもない。

 ああ、この人もとうとうハマってしまった。

 犬に、じゃない。

 潤んだ目で見上げ、全身全霊で愛をぶつけて来てくれる、「年下の男」にである。

素朴さも背伸びも、丸ごとキュンキュンくる

 シングルだったり、バツが付いていたり、付いていなかったり、いずれにせよ元気なARIA世代の女性からこれまでに熱っぽく聞かされた恋愛エピソードの多くに、最近年下の男子が頻繁に出てくる。

 そして彼女たちがうっとりと語る「年下の男子」には、とある共通点があり、否定しがたく小型犬をほうふつとさせる。

 「素直でかわいい」そして「私のことを好き」
 「素朴さや不器用さ、でもそれを隠そうと一生懸命背伸びするところまで丸ごとキュンキュンくる」

 らしいのだ。