切れ味抜群の筆力であらゆる世代をうならせている人気コラムニスト・河崎環さん。「私もARIA世代ど真ん中」という河崎さんが、同世代ならではの鋭い視点で、40~50代の女性を取り巻く事情や実態に斬り込んでいく。その名も「オトナの劇薬」。刺激あふれる劇薬をご堪能あれ。

みんな、いろんな意味で「オトナ」である

 「でね、河崎さん、いいネタが入ったんですよ」と、新年の乾杯でスパークリングワインを一口飲むなり、その40代PR女子が話を始めようとするから、「ちょっと待って、まだ序盤中の序盤ですよ……」となだめてしまった。彼女が「いいネタが入った」と言うときは、たいてい誰かの恋の噂話である。

 聞けば、共通の知り合いである某社エグゼクティブの恋多き女が「そのへんをよく分かってる&割り切っている男女向け」某マッチングアプリを始め、もう入れ食い状態なのだとか。

 「この間は年収4000万円2児の父の40代コンサルとデートして、箸休め的に某広告代理店の30代男子と肉を食べに行って、その週末にはあのIT企業の50代CFOとデートだったそうです。知ってます?」「えっ、あの人割と有名人だよね?」「そうなんですよ、あのマッチングアプリにはあんな人も潜んでいるんですねぇ。あのCFOってバツイチで、お子さん二人はもう大学生なんですって。いい雰囲気になったそうで、また会うって言ってましたよ」「いやぁ、いろんな意味でみんなオトナやねぇ……」

「40代女性が集まると、テーブルの上はあらゆる話題のいいネタづくし」

 その恋多きエグゼクティブ女性の恋の遍歴、ここ数年で何人分のエピソードを聞いただろうか。私はチーズにレーズンをのせて口に放り込む。