「ジョブレス、卒業しました」と報告してくれた篠田真貴子さん。新しい進路は、創業7年、社員数6人のベンチャーの取締役。篠田さんが築いてきたキャリアとは全く異なる、これまでの延長線上にないフィールドとポジションだ。1年3カ月のジョブレス期間は5つのフェーズに分けられるという。篠田さん、ジョブレスの間、どんなことを考え、どうやって決断したのですか?

この記事の前に読みたい上編
篠田真貴子「ジョブレスを卒業することになりました」
(フェーズ1からフェーズ2まで)


―― ジョブレス期間に「こんまりんぐ」(片付けコンサルタント・近藤麻理恵さんの片付けメソッド)をして身の回りの棚卸しをしたり、読みたい本を読んだりする中で、自然と「女性が働き、生きること」や社会とのつながり方に関心が向いたそうですが、同時にもう一つ、大きなきっかけがあったとか。

私が負ってきた傷って何だろう

篠田真貴子さん(以下、敬称略) はい。日経ビジネスの対談で(ワンキャリア取締役の)北野唯我さんとお話しする機会がありました。その中で北野さんがふと「自分が負ってきた傷や痛みが、志のもとになる」とおっしゃって。対談が終わった後もずっと、この言葉が頭から離れなかったんですよね。

「私にとって、それは何だろう? と、問うきっかけになりました」
「私にとって、それは何だろう? と、問うきっかけになりました」

篠田 幸いにもジョブレス期間は時間だけはたっぷりありますから(笑)、いろいろな方から話を聞いて考える機会をたくさんつくれました

 世の中これだけ女性活躍と盛り上がっているわりに、若い女性たちの話を聞くと「えー! キャリアか出産かで悩む? 私が20代だった頃と何も変わっていないじゃない!」と驚く話が出るわ、出るわ。