篠田 私ごときの個人的決断を世間に向けて発表するのは大変恐れ多いのですが……、応援してくださった皆さんへのご報告も兼ねて、この場をお借りいたします。

創業7年、社員6人のベンチャーへ

篠田 この3月から、企業内コミュニケーションやチームマネジメントを支援する 「YeLL(エール)」という会社にご縁をいただき、取締役としてジョインすることになりました。創業7年で社員数は6人。オフィスもコンパクトなワンフロアで、これまで私が勤めた企業の中でも最も小規模の組織ですが、「『聴き合う』組織をつくる」というミッションに深く共感できたんです。

 具体的には、マネジャーやリーダー層への1on1体験や、メンバー層向けのメンタリング支援を提供していく企業で、これから女性活躍分野にも力を入れたいという点に可能性を感じました。

 私自身、いわゆる日本企業から外資系企業、ベンチャーまでいろいろな職場を経験してきましたが、どんな組織にも課題はあり、その課題を解決するための根っこには「個人と個人のコミュニケーション」があるんじゃないかとうっすら感じていました。さらにジョブレス体験を経ることで、その実感はより強くなり、「これから自分が深めていくテーマにしよう」と決心するに至ったんです。

1年3カ月のジョブレス期間 5つのフェーズ

―― ジョブレスの1年3カ月の間にどのようなステップを踏んで今回の決断に至ったのか、詳しく教えていただけますか。

篠田 はい。私のジョブレス期間は、大きく分けて5つくらいのフェーズで展開したように思います。