50代で持つ「リアルな危機感」

―― 上の世代からだけでなく、若い世代からも吸収していこうと。

篠田 そうですね。もともとあまり年齢を気にしていないというのもあるけれど。ビジネスは年齢よりも経験がものをいうから、うんと年下でも起業経験があって、私がたくさん学ぶべき人もいます。

 「若い人から学ぶべし」という危機感は、本当にリアルな課題。

 先日、知人が受け持っている大学のゼミで少しお話をさせていただいた時、「今20歳の学生さんたちは15年後に35歳で面白い事業に関わっている人も出ているはず。その時、私は65歳。うわぁー、彼らに雇ってもらえる自分にならなきゃ!」って奮い立つ自分がいたんですよ。

 12年サイクルの5周目まで働けばよかった時代は終わって、これからは6周目まで働く時代。私はさらに7周目まで行ければ行きたいと思っているから(笑)、残りの人生、これまでの蓄積だけで逃げ切れるとは到底思えない。これから先、深掘りしたいテーマが何か見つかったら、また大学院に行くこともあるかもしれませんね。集中して2年間学び直して、6周目、7周目の人生を思い切り走り切る。そんな将来を実現できたらハッピーです。

取材・文/宮本恵理子 写真/洞澤佐智子