そして今、5周目にいる

 そして、自分なりの持ち味が何となくでも見えてきたところで、世の中と新しい関わりを築いていくのが5周目。49歳から60歳までの12年間は、まさに自分ならではの生き方を表現していく面白い時期なのだろうなぁと。

 きっとその間に、親を見送ったり、子どもが巣立っていったりと、自分の人生を見つめ直す機会も増え、さらにその先の6周目には次世代を育てることに注力していく。そんなステージサイクルをイメージしていたので、48歳を迎えた時には「さて、5周目をどう楽しく生きようか」という気持ちになれました。

「12年周期で書き出してみたんです」
「12年周期で書き出してみたんです」

 12年サイクルで考えていると、「40歳」「50歳」という10年おきの年齢の節目はあまり気にならず、サラリと過ぎていく感じでしたね。

―― 年齢を重ねること自体も楽しみでしたか?

篠田 そうですね。それは私をかわいがってくれた祖母の影響が大きいかもしれません。87歳で亡くなるまでめちゃめちゃ元気な人で、絵を教える仕事をずっと続けながら、テニスも楽しみ、同じようにパワフルなお友達とお付き合いを続けていて。身近なモデルがそうだったので、「年を取ることは枯れることじゃない」という刷り込みはあったと思います。

 あと、私はバブル世代なので(笑)、「30歳になったらシャネルが似合う女になって、40歳になったらバーキンを持てる女になる!」みたいな即物的な目標が階段状だった。実際にその年齢になっても興味なくて買わなかったんですが、「女性は年齢を重ねるに応じてできることが増えていく。私もカッコよくありたいな」というポジティブな思考は備わっていたかもしれないですね。

―― ARIA世代は40代が中心です。振り返って、篠田さんにとって40代とはどんな時期でしたか?