期待に応えようとする「ホルモン工場」の卵巣だが

―― まるで、圧力をかける「視床下部」と、力不足で期待に応えられないホルモン工場の卵巣という構図ですね。この年代の誰もが同じような症状を感じるものなのでしょうか。

高尾 いえ、実はそうとは限らないんです。個人差があり、約半数は更年期症状が軽いかほとんどないといわれています

―― 軽い症状の人が半数もいるんですね。ただ、「更年期」と聞くと、どこか身構えてしまいます。

高尾 何が起きるかよく分かっていないと、不安になりますよね。まずは、自分のカラダの状況を知ることが大事。だって、これから何十年も一緒に皆さんと働き続けるカラダですから。女性ホルモンが大きく変化するこの時期にこそ、きちんと自分のカラダと向き合ってほしいと思います。

 先ほどの生理痛の例でいうと、まず「生理痛はあって当たり前」という意識を変えることが先決。だって、働き盛りなのに仕事に支障をきたすほどの生理痛を抱えているのは「解決すべき課題」ですよね。実際、婦人科を受診して治療をすれば、改善しますから。